あくまでも観客席から

アイドルにかじりついた記録を残したい人のブログ。

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メンバーの覚悟を受け止めるということ。@2014.07.20 SKE48 アップカミング公演 ~夏~ 後藤真由子生誕祭公演

大組閣後のSKE劇場の公演に入りたい、入りたいなと思い続け、さらに研究生のアップカミング公演が始まり、これはもう入るしかないだろうという思いが強まっていました。そんなところで追加で日程が発表された3回目のアップカミング公演になんと遠方枠で入れたのです! この日は5月に誕生日があったものの、研究生公演がないことで先延ばしになっていた後藤真由子さんの生誕祭になることが決定していました。これはもう盛り上げるしかないと、高まる気持ちを抑えられない勢いの中で…。

 

出演メンバー

青木詩織井田玲音名犬塚あさな荻野利沙鎌田菜月後藤真由子佐々木柚香竹内彩姫野口由芽松村香織山田樹奈

SKE48 | スケジュール | 2014.07.12 SKE48 アップカミング公演~夏~(15:00開演)後藤真由子 生誕祭

詳しいセットリストについては初日の感想を参照してみてください。

[DMM視聴]2014.06.29 SKE48研究生 アップカミング公演 ~夏~ 初日 - スタジアムとアリーナの観客席から。

 

11人という構成人数

ゆめちこと野口由芽さんと、山田樹奈さんのすばらしさについては、上に挙げた初日の生配信で観た時の感想と同じでした。犬塚あさなさんの情念を込めた表情が素敵なのも、生で観ても同じようにすばらしく感じられる。11人という今の48にとっては少ない構成人数が、映像で切り取られたとしてもしっかり観ることができるということを改めて感じました。

他のアイドルを観ても感じますが、やはり16人もいるステージを観ていろんなメンバーに目を配ることは難しいですよね。でも、この人数ならそれができるギリギリの人数になっています。研究生はとにかくスポットライトが当たってほしい存在ですから、あえて少人数で決行している決断は、観る側としてもうれしい一面がありました。

 

(ほぼ)初めての卒業発表の立ち会い

この日の後藤真由子さんの生誕祭では、彼女の卒業発表がありました。生誕祭の中でファンへの感謝や1年の決意を語るパートがあるのですが、その流れでこの7月末での活動終了を発表しました。もともと何をやっても長続きしなかった彼女が、好きなものとして見つけてやっと続けられたSKE48。失敗も辛いこともありながらも繰り返してきて、高校3年生になり進路の話題も多くなる中で、「もっとやりたい場所があるのでは」と探して美容の道を目指すことを決めたそうです。

コメントの一部は、公式サイトにも掲載されています。

SKE48 | ブログ | 運営事務局 - SKE48運営事務局ブログ | 後藤真由子 生誕祭

その話し方からは、これまで考えに考えを重ねて整理して、ファンにしっかり伝えようという思いが骨にあるということが伝わってきました。普段のトークでは、そんなに骨があるしゃべり方をするタイプではないんです。なので、思いを伝える彼女から一度も目を離そうとも、声を出そうとも思わなかったです。とにかく身体も意識も彼女に向けて集中させる。今まであんなに微動だにせず人の話に耳を傾けたことはありませんでした。真剣だとしても、たいてい同時に頭を働かせたり、アイドル現場では盛り上げるリアクションを取ってみようと考えてしまうんです。それだけ、彼女の真剣さを正面から受け止める、いや受け止めざるを得ませんでした。

うれしかったのは、しっかりと自分がこれまでどのようにして悩んで、相談して、美容というある程度明確な道を話してくれたことです。「新しい夢ができたので…」と具体的な進路もわからないまま卒業していくメンバーもいる中で(実際は、内定しているけれど事情で言えないというケースもあります)、ここまで話をしてくれるのなら、正面から聞く、いや身体で受け止めるしかないわけですよ。

 

進路という現実を突きつけられるということ

モーニング娘。から始まり、AKBで加速した「リアル志向」のアイドルを追っていく限り、そこには人間っぽさが常に存在していくわけですが、やはりステージのこちら側とあちら側、握手スペースのあちら側とこちら側という線引きがある中で、僕らはすべてを知ることができないわけです。だから、ある種「アイドルが将来具体的にどうメシを食っていくか」については考えを馳せることはあっても、家族ほど真剣に向かい合うことはどうしてもできません。

僕らファンがいくら盛り上げて、楽しい現場になったとしても、芸能の世界の高みへ羽ばたいていけるのはほんのわずか。48グループというムラの中ですら、上を目指すのは険しい道です。今残っている11人のSKE研究生たちはそれを特に強く感じているでしょう。

で、その道をあきらめて別の道を選ぶのは、必然だとも思うんです。他に可能性を感じる道があれば選ぶのは必然です。彼女も18歳です。18歳で、こんなにメシを食うことに必死になって考える女の子っていないと思うんですよ。10代にして、目に見える形でファンとふれあえて、熱心に応援してくれる人がいて、葛藤しないわけがありません。でも、それでも難しい時だってあるわけです。その葛藤を経ての選択を、あの2時間弱の公演の中で感じました、いや突きつけられました。本人も言ってましたが、「みなさんが生誕祭で楽しそうに盛り上げてくださる中で卒業発表するのは辛い」というのが、パフォーマンスのほんの少しの硬さにも見えたような気がしました。それを後になって振り返って気づくことも含めて、僕は彼女の人生選択を突きつけられまたわけです。

もちろん、ファンとして「卒業をいっぱい出すグループなんて…」という思いはないわけではないんですよ。でも、あの場に入って感じたのは、怒りとか、「どういうシステムにしていったらいいのか…」っていうそういうメタ的な思考ではなくて、彼女の人生を感じたんです。その場に立ち会うっていうことは、非常に重みのあるできごとなんです。

僕は教員でもないですし、保護者になったこともありません。人の人生を背負ったことはありません。それでも、10代の子たちを応援するということは、少しだけ人生の選択の一部になっているのだな、と感じた公演でした。

あのとき受け止めた重みがあるからこそ、しっかりと卒業後も歩んでほしいなと思えます。そして、きっとうやむやに辞めていった子に対しても怒りではなくその子なりの人生に思いを馳せることになるのだろうなと思います…。

「卒業してほしくない」という思いは、もしかしたら「人生を受け止める覚悟がない」という気持ちの表れなのかもしれない、そうも考えてしまうこの1週間でした。

 

もう、僕の気持ちは「不器用太陽」です…。

 

 

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