久しぶりの「今そこにあるサッカー」
2019.04.27.Sat
日本フットボールリーグ(JFL)第6節
ようやく今シーズン、初のサッカー観戦に来ることができました。
FC東京戦はことごとくアイドルヲタク活動が重なってたんですよね。しかしまさか、同じ東京でも武蔵野市をホームにする東京武蔵野シティFCの試合に来るとは。武蔵野陸上競技場は大学生の頃、まだ「横河武蔵野FC」時代に観に来て以来なので、10年とかぶりくらいになってると思います。
そこまで久しぶりに訪れた理由が、なかなか面白くて。
AKBヲタクとして知り合った方が、武蔵野の試合でボランティアスタッフをされている方で。この前呑んだときにお誘いいただいて来てみたんです。こういうご縁ってめぐりめぐるもんですね。
普段DAZNで観ている試合と比べてしまうと、そりゃボールコントロールが多少浮いてたり、困ったら前に蹴る頻度は高いかもしれないですけど、それでも全国リーグで、非プロクラブのトップリーグなわけで、戦術的な狙い目や、ゲームモデルのようなものも類推できて、試合も面白かったです。
簡単にレポートを。
武蔵野は4-2-3-1あるいは4-4-2で攻守陣取ります。ビルドアップはセンターバック(CB)が開いたりゴールキーパー(GK)に近づくことはあまりなく、基本的にはGKのパントキックをセンターフォワード(CF)あるいはトップ下の選手に当てていきます。とはいえ前線の選手は屈強というわけではないので、そこで競り勝つというよりは、そのターゲットの選手の周りにサイドハーフの選手も横圧縮して拾いながら攻めていきます。GKが蹴らない場合は、CBあるいは左サイドバック(SB)の選手がキックが上手いので、そこから縦のフィードを入れていく形です。守備は2トップがサイドに追い込みながらサイドハーフが前を狙う4-4-2の基本。ダメならすぐ撤退します。
対するMIOは3-4-2-1あるいは3-4-3の形で攻撃します。キャプテンのGKもつなげることができるので、GKの1-DFの3に加えたボランチのどちらか1枚の5枚で武蔵野のファーストプレスをいなせていたときはいい形になっていました。そこから先は幅を取るウィンバック(WB)、3トップのうち誰かが武蔵野のボランチの脇にポジションを取ることを意識。4-4-2の間を取りやすいかみ合わせの悪いやり方に対して、どこまで捕まえるかがふわっとしていた相手の守備の隙間を狙っていました。
前半は上記の形でややMIOが押しながらも、得点が出ないままスコアレスに終わります。終了間際に武蔵野にけが人が出て、前線が1枚交代となります。
後半開始、武蔵野の並びが少し変わりました。前半けがからの交代で入った選手が、左サイドで幅を取るようになったのです。彼が縦への仕掛けを意識して、相手の3バックを押し込み、WBも押し込みます。すると空いてくる、キックのうまい後ろの左SBが空いてくるのでこの2人で仕掛けていきました。こうして押し込んで得ていたフリーキックから、オウンゴール気味のゴールで先制します。
さらに途中から投入した裏抜けのうまいFWがサイドに気を取られていたCBの合間を取って、カウンターのスルーパスから追加点をゲット。武蔵野は久しぶりの勝利を手にしました。
MIOは「誰か1人が幅を取ること」「ボランチの脇のハーフスペースを使うこと」「ダイヤモンドあるいはトライアングルを作ること」を刷り込まれていて、いいゲームモデルのチームだと思ったんですが(特に右WBの選手が上下のアップダウンを繰り返せる強さ、外がダメなら中へインできるフレキシブルさでとてもいい選手でした)、そのモデルだけで勝てたら苦労しないのがサッカーというものでして。難しいですね。だからこそ面白い。
久しぶりにJFLを観に来て思ったんですが、お客さんも含めて日常感があるのがいいですよね。武蔵野のサポーターはずっとチャントを歌っているわけではないんですけど、それがまた日常感が出る。やっぱりJ1の試合ってハレ感出ますもの。特に首都圏の試合って。
「今そこにあるサッカー」(ロック総統[Wikipedia]語録)を観に来て、こういう光景がグラスルーツに広がってこそだなって改めて思いましたね。ユースやジュニアユースの選手、地元のスクール生も集まって運営のお手伝いをして。300円の唐揚げを小学生の子からハーフタイムにもらいながら感じました。
試合終了すると、選手が1列に並んでお見送りをしてくれていて。役員がていねいに頭を下げつつ、小さな子がハイタッチしていたり、選手と談笑していたりして、素敵な景色でしたね。
連休初日、ゆっくりしようか迷っていたところ、久しぶりに来てよかったです。めちゃめちゃ寒かったですけどねw
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