※AKB48『掌が語ること』の動画を追加しました。
タイトルから察していただけるかと思いますが、東日本大震災復興に対して、アイドルのファンができること、ってなんなのだろう?
と考えることがあったのでつれつれと書いておきたいと思います。
- まず、これらの動画をどれでもいいので気になったやつを見てみてください。
- 自己紹介。
僕は今、東京に住んでて、仕事は持病があって2013年3月現在は職には就いてません。生活、というか可処分所得に関しては健康保険からの手当で生きてたり実家に暮らしてるので会社員時代からそこまで減ってません。その「いろいろ」については本質ではないので気になった方はここ読んどいてください。
- アイドルヲタクとしての僕のライフスタイル。
アイドルヲタクとしては自覚があるのは2011年10月頃からですかね。篠田麻里子さんが第2回じゃんけん大会に優勝した時のシングルを買う前くらいからです。当時は名古屋で仕事をしてたので、今もSKE48が一番好きですが、AKBを始めとして48グループはどこも好きですし、ももクロももちろん好き。昨年の「TOKYO IDOL FESTIVAL 2012」を前後したあたりからはその他のメジャー系アイドルやローカルアイドルにも興味がある、いわばDD(アイドルヲタク用語で「誰でも大好き」の略で特定の推しがいなく節操がないファンのことを自虐的に指す)ってやつです。48グループ以外はあまりCDは買わずに配信で購入していますが、SKEやAKBに関してはだいたい同一タイトルのCDを3枚(各タイプ1枚ずつ)~多くて10枚(握手券目当て)くらい買います。たぶんヲタ層からするとディープではないだろうけど、一般層からすると十分ディープ、って感じなんでしょうかね。
- 「誰かのために」プロジェクト。
アイドルによる震災復興支援と言えば、AKB48グループの「誰かのために」プロジェクトが最も代表的でしょう。震災直後に芸能界の中でもいち早く立ち上げて、わずか2ヶ月後の2011年から毎月1回必ず被災地訪問ライブを行っています。また昔の公演曲である『誰かのために ~What can I do for someone?~』の配信を行って収益を全額寄付したり、収益の一部を義援金に充てる『風は吹いている』をリリースしたり、現在は『掌が語ること』をホームページ上で無料配信しています。プロジェクトを通した義援金や専用劇場やコンサートでの募金など総額は2013年3月14日時点で総額13億4万5,904円集まっているそうです。
- なんでこんなこと書こうと思ったか。
つい先日の2013年3月20日、乃木坂46のチャリティーライブに行ってきたんですよ。幕張メッセで行われていた握手会の後に、無料で行われていたライブで、額を問わない募金で誰でも入場することができました。キャパは1万人くらいだったんでしょうかね。少なく見積もっても8割は入ってたと思います。そのライブがすっごいよくて。ピアノコンクール入賞レベルの生田絵梨花さんという子が生ピアノで伴奏しながら数曲歌ったあと、キャプテンの桜井玲香さんがまっすぐに震災復興への思いを語る。そしてしんみりした後は切り替えて後半はアップテンポの曲でしっかり楽しむ。そういういい意味でのコントラストが明瞭で、すごく清らかな気分で会場を後にした感覚が今でもはっきり残ってます。そんな素晴らしい「復興支援ライブ」を見せてもらって、改めて「アイドルのライブを楽しむヲタクとしてできること」って何なんだろう、と考えてみたくなったわけです。
- 「ファン」の直接的な復興支援とその限界
被災地支援をできるのって、別にAKBみたいな国民的アイドルが被災地に行って励ますだけじゃないと思うんですよ。普段から社会貢献意欲が高いというわけでもないフツーの人がボランティアに足を運んでいます。2011年のシーズン開幕直後に震災が起きてJリーグがしばらく延期になった各クラブの有志のサポーターたちも被災地に足を運んでいました。ただ、このプロジェクトのホームページを見ると、最近は更新が留まっているみたいで、やはり週末の活動はJリーグを見に行くという”本業”を優先せざるを得ないというファン個人の事情が背景にあるんじゃないかと思ってます。(もちろん、Jリーグの会場に募金箱はあったりするし、その支援をしてないというわけじゃないです)
- アイドルヲタクも週末の本業は趣味。
事情はそれぞれ違うと思いますが、「被災地に行って直接何かをする」ってのができないのはアイドルヲタさんも同じだと思います。平日は仕事がありますし、休日は平日に稼いだお給料を使ってライブや握手会などのイベントに行きたいでしょうから。いくら被災地の多くの人がまだまだ立ち直りきれていないからと言って、自分の趣味を制限してまでボランティアをしなくちゃいけないとは誰も言えません。それがまかり通るとしたら震災直後の不必要な自粛ムードみたいになってしまいます(僕自身、被災地から遠い名古屋でも自粛ムードを感じてその気持ち悪さをすごく覚えてます)。
- アイドルを好きなことが「誰かのために」。
じゃあどうすればいいか、って言ったら、もう僕は「今までと同じようにCDたくさん買って、握手しに行こう」と思うしかないと思ってます。でないとやりきれない。僕自身、冒頭の「いろいろ」があるので感情的刺激の多い被災地に行くのを計画しては頓挫して、っての繰り返しなので、この結論しか出せなかったんですよね。
僕には、直接被災地に行く体力もないし、1人で何億円も寄付できるほど金があるわけでもない。芸能人やスポーツ選手ほどに子どもたちが喜んでくれる知名度があるわけでもないし、ライブやサッカー教室、ITでの支援などスキルでの支援もできるほど才能があるわけでもありません。
じゃあどうするかって言ったら、「被災地支援をしているアイドルの子たちを応援する」っていう形しかないのかな、って思うんです。
メディア/アイドルミュージアムなんていうのが埼玉で開催されてますけど、アイドルは「メディア」なわけです。「メディア」とはなんぞや? 英語のmediumの複数形のmediaというのが元々の意味です。ミディアムってのは「中間」、つまり誰かと誰かのコミュニケーションの間にある「媒体」です。
そして被災地支援に関しては、きっと前者の「誰か」は「被災者」、後者の「誰か」は「僕たちヲタク」に置き換えられるんじゃないかなと。僕たちが応援するアイドルの子たちはそんなコミュニケーションの「メディア」になわけです。
その「メディア・アイドル」の子たちを応援することで、僕の被災地支援への思いと行為を託せないかなと思うんです。いや、思うことにしました。
- きっと、アイドルの運営はヲタクを試してる。
震災直後の歌手の方々がリリースした配信曲やCDと同じように、いつもiTunesやCDショップで買うようにお金を取って、その収益を流すというやり方もあると思います。たぶん、そのほうがレコード会社にとっても無理がないし、僕らとしても自然とお金を出すことができます。だから、素晴らしい手法だと思います(余談ですが、僕もこれと同じような考えでチャリティーイベントの間接支援してたりします)。
でも、48グループの特別劇場公演や乃木坂のチャリティーライブは入場料がすべて無料だったんですよね。普通にお金を取った方が確実な収入になります(乃木坂なんて1万人入る場所です)。劇場は東北にあるわけでもないし、無料にしたって被災者の方が見れるわけでもない。
「きっと、秋元康はじめ運営は僕らヲタクを試してるんじゃないか」
そんなふうに深読みしてしまいます。
アイドルファンっていうのは「キモイ童貞がかわいい女の子に処女幻想を抱くキチガイ」みたいなイメージがまだまだ拭えません。ぶっちゃけ、ライブ会場や握手会場に行くと「それ、人としてどうなの?」って思う人は少なくありません。「無料ライブにも、募金は1円だけしてタダ乗りに近いことしてるのかな」とか思われても仕方ないです。
それでも、逆に人として素晴らしい人がたくさんいるのも僕は知ってます。最近のアイドルはAKBを端緒に「会いに行ける」ので、そうしたファンの温かさをたくさん受け取っているアイドルの子も多いと思います。DMM配信で見れる劇場公演での誕生日企画なんかを見てても、本当にファンの方の愛が感じられて、推しメンの誕生日じゃなくても涙することもあるほど。
アイドルの子たちを思いやれるなら、被災地のことを思いやるアイドルの子の気持ちを思いやれるはず。僕はそう思っているし、純粋に被災地でもがんばる彼女たちのことを応援したい。だから、これからも(破産しない程度にw)CDは買うし、握手会にも行きます。
2012年のAKBのドキュメンタリー映画では震災復興支援のことを前面に押し出していて一部のアイドルヲタクからは批判もあったみたいですが、僕はあそこで復興支援のことを描いてくれてよかったと思っています。彼女たちが悩みながらも復興支援の現場に立ってくれることを見せてもらうことで、僕は2年経っても、少なくともAKBが訪問するペースの月に一度は被災地のことを忘れずに済んでいます。被災地でAKBメンバーの登場に喜んで、感極まって泣く子までいる様子を見ると、「ああ、キモいと言われながらも、彼女たちを応援しててよかった。これからも応援しよう」となる。
支援に行ったAKBが被災者の笑顔に逆に勇気づけられて、僕らヲタクはそのやりとりにさらに勇気づけられる。そんな素晴らしいことないじゃないですか。だったら、そんな素晴らしいことやってるのに、タダでコンテンツに乗っかるなんてとんでもない。
だから僕は、無料のライブや配信でも、同じくらいの規模や質のコンテンツとだいたい同じくらいだろうっていう額の寄付や募金をすることにしています(もちろん、少額でも意味はあるものではあります)。と、これだけ書いても説得力がないので、この3月に行われたAKB48グループと乃木坂46のチャリティ企画にどれだけ募金したか書いときます。
- AKB48劇場 東日本大震災復興支援特別公演~誰かのためにプロジェクト2013~ (DMM.comダウンロード配信) 500円
- SKE48劇場 東日本大震災復興支援特別公演~誰かのためにプロジェクト2013~ (DMM.comダウンロード配信) 500円
- NMB48劇場 東日本大震災復興支援特別公演~誰かのためにプロジェクト2013~ (DMM.comダウンロード配信) 500円
- HKT48劇場 東日本大震災復興支援特別公演~誰かのためにプロジェクト2013~ (DMM.comダウンロード配信) 500円
- 乃木坂46 東日本大震災 復興チャリティーイベント「いま、私たちにできること2013」 3,000円
最後の3,000円は突っ込んだ後に「ちょっと入れすぎたかな(笑)」みたいな感覚もありましたが、なんでそれくらいでいいですよね。DMM.comでの劇場公演配信は通常1公演525円から配信をしてるので、消費税を除いた額を募金しました。
AKB48の「誰かのためにプロジェクト」は、ライブ会場や劇場での募金箱、銀行口座への振込への他にも、特設サイトでクレジットカードで気軽に募金できるようになりました。みなさん間違ってポチポチしちゃいましょう(笑)。
●最後に
「素晴らしいヲタクの方たちを知ってる」と書いてますが、基本的に1人で現場に参戦してるのであまり知り合いのヲタクの方はいません(苦笑)。
こんなキレイごとほざいてる『オキドキ』新規ヲタの輩でも、もしこのブログと似た考えの方がいましたら、ぜひ下記までご連絡いただけるとうれしいです。
mail:yuhki110kin(アットマーク)(Gメール)
Twitter:@dd110kin
アイドルの女の子だけじゃなく、ヲタクのパワーでも何かできたら面白いんじゃないかなーと漠然と思ってますが、僕個人にはいろいろと制限があるので、力を合わせて何かできたらなー的なやつです。よろしくです。
■参考
・上述した2011年のAKB復興支援シングル『風は吹いている』。
【多売特典生写真付き】風は吹いている (Type-A)(通常盤)
- アーティスト: AKB48
- 出版社/メーカー: キングレコード
- 発売日: 2011/10/26
- メディア: CD
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・これも上述した2011年の震災復興にスポットを当てたAKBのドキュメンタリー映画。芸能史とドキュメンタリー映画史という観点でもエポックメイキングな作品です。
DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る スペシャル・エディション(2枚組) [DVD]
- 出版社/メーカー: 東宝
- 発売日: 2012/04/20
- メディア: DVD
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・NHKの「花は咲くプロジェクト」のCD。AKB48からは小さい頃に岩手県に住んでいた元メンバーの仲谷明香さんと、被災者である宮城県出身の岩田華怜さんが参加しています。岩田さんのソロバージョンも収録されてます。
- アーティスト: 花は咲くプロジェクト,菅野よう子
- 出版社/メーカー: フライングドッグ
- 発売日: 2012/05/23
- メディア: CD
- 購入: 6人 クリック: 52回
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・被災した仙台を拠点とするアイドル、Dorothy Little Happy。被災直後の「TOKYO IDOL FESTIVAL 2011」ではこの曲の素晴らしさでドルヲタを驚かせたそうです。
- アーティスト: Dorothy Little Happy
- 出版社/メーカー: avex trax
- 発売日: 2012/01/11
- メディア: CD
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