あくまでも観客席から。

サッカー好きだったはずが、ふと気づいたらAKB48・SKE48をはじめアイドル全般にはまってしまった(自称)善良市民のブログ。

これからのマスメディアに必要なのは「対談」なのだなぁ。

さっきまで、ニッポン放送アナウンサーのよっぴー(吉田尚記)さんの #jz2 っていう対談企画のUstream中継を観てました。

 

僕はAKB48が気になったあたりから、それを評論の対象としている人たちも面白く見るようになってて、その言っちゃえば「AKB評論ヲタ」の第一人者の宇野常寛さんが出るというので先月の #jz2の対談イベント(Ustreamアーカイブ)に実際に行ってきたんですよ。そしたら、まあ面白くて面白くて。もちろん、2人ともヲタク的な部分の共通点はあるんですが、微妙な嗜好やスタイルの差はあるので、その違いや、またその違いの中から共通点を見出して語るという作業が非常に面白い。今夜やっていた12月の対談も、ニッポン放送アナウンサーがAV監督の二村ヒトシさんと話すという、非常に面白い対談でした。この恋愛とかセックスについての話は、ある意味「素人」のよっぴーさんがいたからこそわかりやすくなりましたね。
※よっぴーさん×宇野さんのアーカイブ↓


Ustream.tv: ユーザー jz2jogairadio: #jz2 吉田尚記の場外ラジオ vol.9 guest 宇野常寛, Recorded on 2013/11/28. ラジオ

 

なぜこの対談スタイルが面白く感じたか。

文字や出来上がった作品メディアとは違って、メインのテーマはざっくり決まっているもんですが、会話なのでキャッチボールの駆け引きの中から展開が生まれていくんですよね。「おっ、あいつスライダー投げられるのか。じゃあ、もっと速いスライダー投げてみようか」的な(よくわからないか)。それを繰り返すと、当初のテーマとはズレてる場合もあるんですが、ズレた分だけ得るものも大きいというやつですね。

 

この記事(『2013年のヒット曲にみる「これが日本の音楽業界の現状です」 - コスプレで女やってますけど』)でも言及されてますが、音楽に代表されるように日本の嗜好が多様化してきていて、かつそれぞれのクラスタ間の交流は少なくなりつつあるんですよね。ここで言う音楽で言えば、オリコンとiTunesとカラオケのチャートはまったくもって異なるし、カラオケチャートですらそれぞれのクラスタ間で歌われてるだけの曲あるいは昔まだ嗜好が今よりも共有度が高かった曲が生き残ってるだけって見方もできます。だのに未だにオリコンチャートをものさしに見ようとするからアイドル界にうまく乗っ取られたのに文k(今日はこの話は置いておきます)

 

話は戻って「対談」。
最近いろんなメディアやイベントで行われている対談って、実はこの嗜好とか専門が全く同じ人の間で行われているわけではなくて、別ジャンルの専門家が意見を交わしてみるってやつだったりするんですよね。これが同じジャンルの専門家同士で対談しても、ヲタクが居酒屋で語り合ってることと近いものになってしまう。…いや、これも十分楽しいし、ヲタクまたはファンまたは嗜好を深めていく上でどんどんやる方がいいんです。そうやって生まれるものもたくさんありますから。が、それだけだと、どうも刺激が少なくなって面白くないんじゃないかと。そこで、それぞれの知識を高度化した専門家同士が話をイベントやネット・雑誌と言ったメディアを使って会話を交換することで、それぞれが刺激を受け合える。もしかしたら、そのイベントを通して、対談相手のジャンルの専門家やファンにも認知されて文化圏・経済圏が広がっていくかもしれない。そうやってそれぞれが軸を持ちつつも、ゆるく別ジャンルのことを認知していく、という関係性がいろんな文化にとって幸せになるんじゃないかなぁとふと考えたんです。

 

で、今新聞やら雑誌やらテレビやら、ある程度お金を持っていた大きなメディアが今後も大きな役割を維持したいのであれば、そこしかないんじゃないかとも思ったんです。「興味がない人にでもわかりやすい当り障りのない伝え方」を多くばらまくのではなくて、「専門性が高い人同士が会話する場をつくることで、それぞれの専門に深い人を結びつける」方が、結果として多くの人に情報を届けられるようになるんじゃないのかなと思うのです。それぞれが好きなことについては、それぞれの専門メディア、今はSNSで好き勝手につながって情報交換ができるわけです。そこは任せておいて、ディレクター(編集者)がやることはそれをつなぐことだなぁと感じたんです。

 

すでにそれをやっているなぁという例で言えば、上述のよっぴーさんのラジオやイベントは自分が半分専門家として専門家同士をつなげる役割を担っていますし、イベントや誌面が対談で埋まっている宇野常寛さんの『PLANETS』もそう。テレビで言えば近いジャンル同士ではありますが『僕らの音楽』がそれに近い。音楽だってロックバンドとアイドルの対バンがそうかも。っていうかもはやロックフェス自体がそうなのかもしれませんね。

 

挙げたメディアを仕掛けている人たちは意識的になのか無意識的になのかは僕もよく知りませんが、結果として自分の嗜好・専門の外の分野の人までファンを巻き込んでいるケースがあるはずです。よっぴーさんは「アニメが好きでラジオ聴いてたらいつの間にかアイドルにも興味を持ち始めた」って人いるでしょうし、僕は「AKBが好きで宇野さんの書いてる本とか読んでたら他のジャンルの評論も興味を持ち始めた」し、「ロックバンドが曲を提供したアイドルの曲を聴いてみたらハマった」って人もいるはずです。

ここの「共通点」をたくさん探り出すていく作業……いや、もしかしたら探りだす必要もなくて、「探り出す場」をなるべくたくさんのジャンル間で提供していくことが、マスメディア(もはや紙かネットとか関係なく)に求められる、というかやっていかなくてはならない1つの役割なのではないかなと強く感じました。

 

なんで? だって、「えっ?! そっちの世界でもそういうことだったの? こっちの世界で言うこういうことだよ」って話、面白いじゃないですか。それをたくさん作れたら面白いよな、そういうことです。

 

僕は今のところただのコンテンツ消費者でそう簡単に作り手にはなれる立場ではないですが、そういう他ジャンルの面白さに気づけるようなチャンスを持てる人であれたらなーって思った次第です。